南米
トマトの起源は南米大陸アンデス山脈の太平洋側と言われています。現在のペルーやエクアドルなどの山脈西斜面です。
熱帯地域の高冷地で低温乾燥で風が強く昼夜の寒暖差が大きいのが特徴の地域です。
現在でも、多くの野生種のトマトが自生しているのを見ることができます。
メキシコ
中央アメリカを通りメキシコに伝わりました。
そして作物として栽培されるようになったのはメキシコが発祥と言われています。
ヨーロッパ
大航海時代の16世紀、メキシコを征服したスペイン人が種を持ち帰ったのが始まりです。
一緒にトウモロコシ、ジャガイモなども持ち帰っています。
ヨーロッパでは最初、トマトは有毒であると信じられ、観賞用として栽培されました。
鮮やかな赤色と強い酸味と毒性植物のペラドンナに姿が似ていたからだと言われています。
「poison apple」(毒リンゴ)とも呼ばれていました。
イタリア
ヨーロッパでは伝播以降も長く食用にされなかったトマトですが、18世紀になるとイタリアなど地中海地域の貧困層に食用としてのトマトが広まります。
現在と同様、主に煮たり焼いたり調理して食べていたようです。
やがてトマトソース、ケチャップなどパスタや肉料理の味付けに使用されるようになります。
アメリカ
メキシコに隣接していますが、遠くヨーロッパ経由で18世紀後半に伝わります。
第3代大統領トーマス・ジェファーソンが自宅の庭でトマトを栽培した記録が残っています。
日本
日本には江戸時代(17世紀)にオランダ人によって長崎へ渡来したのが最初とされます。
最初はヨーロッパ同様、観賞用として栽培されたそうです。
狩野探幽が「唐なすび」と題してにスケッチを描いています。
貝原益軒の『大和本草』にはトマト(唐柿)についての記述があります。
日本で食用になったのは明治以降で、さらに世間に広まったのは昭和に入ってからです。